京都大学公共政策大学院同窓会「鴻鵠会」

挨 拶

初代研究部長・教育部長として
小野紀明

 京都大学公共政策大学院が開学すると同時に私が初代の研究部長・教育部長に就任したのは、設置準備の段階で中心的な仕事をしていたためであろう。この作業のなかでとりわけ留意したことは、公共政策大学院を職業教育の場としてぎすぎすしたものにしないことであった。専門職大学院ではあるが、教育機関であるかぎりは学生相互、そして学生と教職員のあいだに人間的な触れ合いがあることが重要であると考えたわけである。同じ志をもつ者が学問のみならず色々な場面で協力することは、人間の幅を広げる上で絶対に必要なことである。同時にまた、各自の個性や信念の相違を承認し合うことは、現代社会に生きる者として最低限身につけるべき作法であろう。公共政策大学院では、なによりもまずこうしたエートスを修得してほしいと願ったのである。

 今年で公共政策大学院は、開学後4年目を迎える。上で述べた私どもの願いは、見事に実を結んでいるように思われる。私どもが意図したように、少ない学生数の下で各自が2年間の学生生活をエンジョイし、また一般選抜と職業人選抜、外国人特別選抜の合格者の関係も良好であるようにみえる。この度、卒業生および在学生の全面的な力添えで、同窓会のウェブが新設されたのも、その証左であろう。もう少し勉強してもよいのではと思わせるところもないではないが、この雰囲気を維持することのほうが大事であると私には思われる。これが京都大学公共政策大学院の伝統として受け継がれていくことを、創設メンバーのひとりとして切に望む次第である。